おいしい。満たされていることを、知ることで。
「今日は何を食べようか」
目まぐるしく回る日々の中で、何を食べたいかと考える時間は、自分の心や大切な誰かと向き合うことだ。
体調、なりたい自分、気分、大切な人の喜ぶ顔…。
現代社会に限りなく溢れる情報の中で、つい見逃してしまいがちな一番近くにある、大切なものと焦点が合う時間。
空気を読まなければいけない世の中で、貴重なワガママになれる時間だ。
そしてその時、人は必ず「おいしい」を目指す。
おいしいとは、今が満たされていることを、実感すること。辛いことがあっても、好きな味は変わらない。いつだって、誰かに奢ってもらう焼肉はおいしい。お母さんのお味噌汁は、大切な味だ。
おいしいと感じたとき、僕らは今この瞬間が満たされていることに気が付く。
これまでの前提なんて全部取っ払って、無条件に、そして一気に多幸感に包まれる。それは、どんな都合のいい言葉よりも、ずっと深く今の自分を肯定してくれるものだ。
そしてまた一歩、足を止めずに歩きつづけるエネルギーへと変わるのだ。
食には、そんな力がる。
もしかしたら近い将来、食事はもっと合理的に済ませられるようになるかもしれない。
でも、非生産的だけど、大事な意味があること。ここには、人の「生きる希望」として深く残り続ける余白がある。
Shunは、この余白を鮮やかに変えていく。
おいしい、
満たされていることを、知ることで。
食を、生きる希望に変えていく。
Shun|料理家・フードクリエイター
フランス料理を中心にレストランで勤務したのち、2023年9月から Instagram[shun_foodcreator]で発信を開始。現在、料理家としてレシピ監修やメニュー開発。料理写真の撮影などを行う。
・調理師免許取得